コラム ネタバレあり:重度

『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる

『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる

ファイアーエムブレム 風花雪月』のDLC追加マップ「アビス」で読むことのできる書物
フォドラの虫大全の内容が衝撃的だったので、簡単に考察したいと思います。

もくじ
  1. 「フォドラの虫大全」について
  2. 本の内容
    1. 1 / 5ページ
    2. 2 / 5ページ
    3. 3 / 5ページ
    4. 4 / 5ページ
    5. 5 / 5ページ
  3. おわりに

「フォドラの虫大全」について

『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる 02

アップデートにより追加された要素。DLCの購入が必要となりますが
世界観をより深く理解するためのフレーバーとして、いくつかのテキストを読むことができるようになります。

EP.13以降、アビスに居る「顔役」にて解放します。「書庫を整理する」の項ですね。
既定の名声値を消費し、クエストをクリアすることで書庫の利用が可能に。

どの書物もフォドラの歴史の裏側を色々と知れる面白いテキストなのですが
今回は、特に内容が過激な「フォドラの虫大全」を紹介します。

本の内容

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『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる 03

(書名と本の内容が一致しない。
どうやら、偽物の表紙が継ぎ接いで作られている。
何かの目録のようにも見えるが......)

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現代風に言えば、本のカバーを別のものに差し替えて偽装している感じでしょうか。
要するに、この本は虫の百科事典ではないという事ですね。
焚書を逃れるために偽装され、アビスに持ち込まれたものと思われます。

全体の内容としては、私は「セイロス教団の悪行」ととらえています。

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『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる 04

・眼鏡を元に作られた、遠くを見るための道具
眼鏡の鏡部分を二枚重ね合わせることで、
遥か遠くをはっきりと見られるようになる。
大司教は以下の三つの危険性を挙げ、作成を禁じた。
「敵陣の把握による戦争の激化」
「遠方からの狙撃が容易に」
「天の観察による主の神秘性の減退」

2/5

望遠鏡・双眼鏡の類のことだと思われます。
東の隣国・パルミラは、造船や航海術に長けているといったような描写が本編ではありますが
むしろ、こういった道具の規制によってフォドラ側が衰退しているだけなのでは、と思わせる内容ですね。

発明品を禁ずる事で、連鎖的にさまざまな技術の発展が阻害されている事を
示唆しているんじゃないかなと感じるページです。

しかし、「天の観察による主の神秘性の減退」はなかなか宗教的で怖い。

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『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる 05

・燃える黒水
ファーガス北部で発見された、粘ついた黒色の液体
激しく燃え、悪臭と有毒な空気を発する。
大司教は以下の危険性を挙げ、邪なるものとして利用を禁じた。
「誤って使用しての事故死」
「魔法を使えない者の戦術的利用」
「争奪による対立の発生」

3/5

これは石油ですね。エネルギーの規制はかなり危険な気がします。
この本の中でも際立って危ないページ。

本編では、オープニングで1000年前の戦争のようすを窺い知る事ができますが
現代(1000年後)と比較しても、ほとんど同じような戦い方をしていて
技術の進歩が見られない
ところがあると思います。
1000年もあれば、ふつうは銃火器や戦車といったものが登場してくるはずですよね。

前項でも書きましたが、発明や新しいエネルギーの発見を排除してきたことにより
1000年ものあいだ、フォドラでは科学技術が一切の進化をしていないという事です。
あるいはそれ自体を目的としていたのかもしれませんが、これは明確に教団の咎といえるでしょう。

「争奪による対立の発生」は、確かに我々の歴史を見ても危険性として挙げられるものではあるのですが
フォドラはあくまで一大陸であって、周辺にはいろいろな国が存在しているので
まわりの国々との国力差が大きく広がることの方が危ねえと思います。

ついでに、ファーガスが貧しい土地なのもこの石油規制のせいと言えるでしょう。
教団の統治に限界が見え始めているのは、こういった体質も理由のひとつにあるかと思います。

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『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる 06

・金属製の字型を使用した書物の制作機
当初、木版に代わる有用な発明として歓迎されたが、
熟考を重ねた結果、多くの理由により禁忌となった。
大司教は以下の理由を特に挙げた。
「誤った情報や悪意のある噂が流布される危険」
「字の読めない平民にとって無益」
「教会同士の対立が激化する恐れ」

4/5

こちらは活版印刷のことだと思います。
つまり、フォドラでは木版印刷による製本が主流、という事になりますね。

木版の場合、版がひとつしか作れないため
新聞などの媒体が登場しにくい等、いろいろ問題点はあるのですが
このページの最も危険な部分は「字の読めない平民にとって無益」かと思います。

つまり、教団の統治下では「識字率を上げる」等の教育の概念がごっそり抜け落ちているという事です。
教育体制を整えるよりも印刷技術を規制する、というのはやはり何かしら意図を感じますね。
まあレア様はお付きのツィリル君にも読み書きを教えていなかったりするので
抜け落ちている、というよりは、分かっていて敢えてやっているような気もします。

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『FE風花雪月』 「フォドラの虫大全」がヤバすぎる 07

・人体の解剖、妄りな頭や胸への切開
医学的に役立つとの主張が根強くあったが、遺体を辱め
る行為が死者への冒涜であり、白魔法の発展により解決
できるとして禁忌となった。
枢機卿の一人が、信仰を必要とする白魔法に医学が勝る
ことがあれば、教団の地盤が揺らぐと強固に主張した。

5/5

何かもうもはや何も言うまい...という印象のページ。
教団の体質をこれでもかと表している内容と言えると思います。

死者への冒涜あたりのくだりは、解剖学の進んだ我々の社会においてもままある事で
これは理解できる内容ではあるのですが
本音は完全に後半部分でしょうね。前半部分はおそらく建前です。

この本のすべてのページで言える事ですが、要するに
技術の発展よりも、教団が人民をコントロールする事のほうがだいじ、という思想だと思います。
こわっ。

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おわりに

以上、「フォドラの虫大全」を1ページずつ私なりに考察してみました。
ゲームプレイ中はさらっと読んで「何かやべえな」くらいの印象だったのですが
改めて考察してみると、世界観の理解も深まって非常に面白い内容でした。

アビスの書庫は、他にも何だか危なそうな書物がいっぱいあって捗りますので
是非、DLCを導入して読んでみてほしいです。
しかし本当によく練られたゲームだ。

ファイアーエムブレム 風花雪月
タイトルファイアーエムブレム 風花雪月
メーカー任天堂
発売日2019年7月26日
定価パッケージ版 / 7,678円
ダウンロード版 / 7,678円