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『シアトリズム ファイナルバーライン』レビュー : 原作リスペクトを感じるリズムゲーム

『シアトリズム ファイナルバーライン』レビュー : 原作リスペクトを感じるリズムゲーム

2月16日に発売された、ファイナルファンタジーシリーズのリズムゲーム
THEATRHYTHM FINAL BAR LINE(シアトリズム ファイナルバーライン)』をクリアしたので
評価と感想を交えてレビューしたいと思います。

シリーズファン、特にFFの音楽が好きならマストバイな出来になっています。
無料体験版も配信されているので、是非あそんでみてください。

もくじ
  1. どんなゲーム?
  2. 良い点
    1. 最高のファンアイテム
    2. 中毒性が高い
    3. 難易度調整の妙
  3. 気になった点
    1. タッチ操作のオミット
    2. 「シリーズクエスト」が単調すぎる
  4. 総評・まとめ

どんなゲーム?

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FFシリーズのBGM・楽曲を用いた音ゲーです。
キャラクターの育成や、パーティのカスタマイズなどRPG的な要素があるのが特徴。

アーケードゲームにもなりましたが、家庭用コンソール向けとしては
前作に3DS版がありますね。
基本的なゲーム部分は今作でもだいたい同じです。

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音ゲーの裏でキャラがたたかいます
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フィールドを移動していくモードも

左側から流れてくるトリガーを、画面右のサークルに重なる位置で入力していきます。
サークルが4つあるので難しそうに見えますが、どのサークルがどのボタン、と決まっているわけではないので
見た目以上にあそびやすいです。

サークルはパーティキャラに割り当てられており、入力に成功すると
該当のキャラがモンスターに攻撃する、みたいな感じですね。

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設定も結構充実しています。
トリガーSE音量」がデフォルトで最大になっているので、これをちょっと下げると
すごくやりやすくなってオススメです。

パーティを育成しよう

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好きなキャラでパーティを組もう
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曲をクリアすると経験値が入るしくみ

曲をプレイしているあいだ、パーティキャラは勝手にたたかいます。
レベルを上げたり、セットするアビリティを工夫することで
強敵を倒せるようになったりするので、育成も大事な要素のひとつ。

アビリティにはいろんな効果があり、音ゲー部分に恩恵があるものも。
慣れないうちは回復魔法を使えるキャラがいると良いですね。

好きなキャラ・思い入れのあるシリーズのキャラなどで自由にパーティを組めるのが楽しいです。

シリーズクエスト

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各タイトルのストーリーに沿ったステージ
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開始時にシリーズキャラが仲間に

本作のメインとも言えるモードです。
各タイトルを追体験するように、順々にいろんな曲のステージに挑戦していきます。

曲だけでなく、ゆかりのあるモンスターが出てきたり
シーンに合わせてきちんと背景が用意されていたりと
ファンには嬉しい要素がいっぱいです。

ただ、どうしてもそのタイトルを知っていないと最大限に楽しめないという部分はありますね。

その他のモードには、自由に曲を選んでプレイする「ミュージックセレクト」と
最大4人でオンライン対戦できる「マルチバトル」があります。

通信対戦も楽しい

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見えねえよ!

このゲームには特に期待していなかった「対戦モード」ですが
これが意外にもハチャメチャで面白いです。

「バースト技」というおじゃま要素が入り乱れる中で曲をプレイする、という
減点方式のシステムになっているのですが
やりすぎなくらい訳わからなくなるバースト技もあったりで、なんか笑ってしまいますね。

あんまりガチ対戦感のないパーティゲームという感じなので
フレンドとカジュアルにあそぶのがオススメです。

良い点

最高のファンアイテム

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染み入る

FFシリーズを知っていれば最高に楽しめます。
背景が作り込まれたステージ、原作のイベントシーンを見ながらプレイできる譜面など
随所で原作へのリスペクトをきちんと感じられるように仕上げてあるのは高評価点。

曲はしっかりと原曲のまま収録されており、さらに言えば
新録されているアレンジやメドレーなどの出来がすごくいいです。

「シアトリズム」シリーズは、昔からずっとアレンジが非常に上手いんですよね。
オープニングで流れる、国歌のJazzアレンジだけでもプレイしてみる価値があります。

中毒性が高い

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FFVIばっかりやってます

難易度・譜面の出来・クリティカルバーなどのシステム面が上手くバランス調整されていて
なんか延々とやってしまうゲームになっています。

「もう1曲やったら終わろう」と思いながら
その後気づいたら4,5曲くらいプレイしてしまう...という事もざらにあります。

やっぱり、「リズムに乗る」というのは
人間の本能が「楽しい」と感じる行為だと思うので
それを好きな曲・思い入れのある曲でできるというのは素晴らしいですね。

難易度調整の妙

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「超絶」は頭がバグる

前作に比べて、難易度が全体的に上がっています。
これは評価が人によるところですが、私は良い方向に作用していると思います。
前作は「基本」の譜面がちょっと退屈だった、というのもありますね。

どのリズムゲームにも言えると思いますが、基本的に「覚えゲー」で
何度もプレイしていれば自然とできるようになっていくので
始めたてで、全然クリアできなくても大丈夫。

ただ、「超絶」難易度はまじでやばそう。指がおっつかないです。

特定の難易度でのプレイが強要されることは殆どないので、そういう意味では
「基本」の譜面だけでも楽しめるようになっているのは良いですね。

気になった点

タッチ操作のオミット

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前作にあった「画面タッチでの操作」がなくなって、ボタン操作のみになっています。
こればっかりは一切の擁護ができません。

単純に操作方法が減った、というだけではなく
「タッチ操作の楽しさ」というゲーム体験を無くしたというのが問題です。

ボタン操作にはボタン操作の、タッチ操作にはタッチ操作の「面白さ」がそれぞれあると思うんです。
前作で築いたゲームの魅力を自ら半分捨てたわけですね。
どこかのインタビュー記事で、タッチ操作を無くした事に対して言い訳していましたが
到底納得できるような内容ではありませんでした。

これも含め、全体的に「もうちょっと本気で作って欲しい」と感じてしまう部分が多いです。

「シリーズクエスト」が単調すぎる

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基本的に一本道
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マップは「見れるだけ」

本作のコンセプトなのかもしれませんが
「シリーズクエスト」は、ただ順番に曲をプレイしていくだけで特に面白さを感じないです。
それこそあんまり知らないタイトルでは苦痛に思えるほど。

それから、マップ画面から好きな場所に移動できないのはまじで意味がわからないです。
こういう所からも「手抜き感」を感じますね。

前作の「クエストメドレー」はRPGっぽい要素もかなり多く
やりこみや収集などもあり、個人的にはかなり好きだったので
なんで最新作でこんなゲーム性のないものになってるんだ、という印象です。

ただまあ、キャラの育成などもかなりシンプルに変わっているので
本作では、「曲をプレイする」ことに重きをおいたコンセプトなのかもしれません。
この辺りの評価は個人差が出ると思います。

総評・まとめ

総合評価

73
Points
  • 収録曲数★★★★★
  • 音ゲーの面白さ★★★★
  • 全体のゲーム性★★
  • 育成要素★★
  • 長くあそべる度★★★★★

総評としては、ファンには最高、FFを知らない人にはおすすめしにくいゲームです。
音ゲー部分はめちゃくちゃ楽しくてずっとやっちゃうんですが
シリーズの集大成としてはいまいち完成度に欠ける、といった所でしょうか。

結構色々言いましたが、私はとても楽しんでいます。
まだこれから、FFシリーズ以外のDLC楽曲も控えている(個人的にはむしろそっちが本番)ので
長くあそべるゲームになりそうですね。

今回のポイント
  • FFの曲でやる音ゲーは最高
  • 原作を懐かしめる要素がたくさん
  • 前作からいろいろとパワーダウンしてる

シアトリズム ファイナルバーライン
タイトルシアトリズム ファイナルバーライン
メーカースクウェア・エニックス
発売日2023年2月16日
定価パッケージ版 / 6,380円
ダウンロード版 / 6,380円