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自分だけの風景をつくる『Dorfromantik』引き算の美学

自分だけの風景をつくる『Dorfromantik』引き算の美学

「癒し」のゲームとして、(私の中では)株が急上昇中の『Dorfromantik(ドーフロマンティック)』。
のどかな田園風景を作っていく街づくりゲームですが
いわゆるシムシリーズとは少し違った、パズルゲームの要素を持ったタイトルです。

当記事では、そんな本作のゲーム性と癒し性を紐解いていきたいと思います。

もくじ
  1. どんなゲーム?
  2. 良い点
  3. 気になった点
  4. まとめ

どんなゲーム?

自分だけの風景をつくる『Dorfromantik』引き算の美学 02

六角形のタイルを配置して、自分だけの風景を作っていくパズルゲーム。
絵画のようなタッチで描かれた1枚1枚のタイルが美しく、何となく繋げていくだけで
なんか壮大な景色が出来上がっていくさまが面白いです。

右下に表示されているタイルの山札から1枚ずつ、好きな場所に配置していき
ポイントを稼いでいく、というのが目的です。
山札がすべて無くなったらゲームが終了となります。

タイル同士をつなげよう

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つながる辺はハイライトで表示

タイルには6つの辺があり、それぞれに家や畑などのパーツが描かれています。
この各パーツがつながるように配置することでポイントが入るしくみ。
こうしてスコアを伸ばしていくんですね。

自分だけの風景をつくる『Dorfromantik』引き算の美学 04
パーフェクト!
自分だけの風景をつくる『Dorfromantik』引き算の美学 05
こんな大きな集落を作ることも

6辺すべてがつながるように配置すると「パーフェクト」となり、大きくポイントが入ります。
別に1辺もつながらなくてもスコアが減らされたりすることはないし、
森を4つつなげると消える、なんてこともないので、安心して遊べます。

クエストでタイルを補充

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「家を23軒以上つなげましょう」というクエスト

山札からは、まれに数字のフキダシが付いたタイルが現れることがあります。
これらは「クエスト」と呼ばれ、指定の数字どおりにタイルをつなげることで
山札にタイルが補充されます

山札がなくなってしまうとゲームオーバーなので、クエストを意識して達成していくことが大事です。

ゲームモードも充実

自分だけの風景をつくる『Dorfromantik』引き算の美学 07

基本である「クラシックモード」以外にも
限られたタイルでハイスコアを目指す「クイックモード」や
無制限に好きなようにタイルを配置できる「クリエイティブモード」など
遊び方もいろいろ。

すべてのゲームモードで時間制限はないので、本当にまったりと好きなようにプレイできるんです。

良い点

難しいことはなにもない

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線路は途切れてても大丈夫

まず、前項でも述べた通り時間制限はありません。

加えて、こういった街づくりゲームにはありがちな
「人口の量を考えて家の件数を...」であるとか
「インフラをきちんと整備しないと物流が...」みたいな、シミュレーション要素も一切ないのです。

そういったいろいろな要素を排し、プレイヤーがリラックスして遊べるつくりだからこそ
このゲームは「癒し」なんですね。

ジグソーパズルのように、自分でつくったものができあがっていくのも
パズルゲーム特有の虚無感がなくてとても良いと思います。

フィードバックが気持ちいい

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タイルを置いた時の手触りがいい感じです。
ちょっとしたSEとエフェクトによる演出なんですが、個人的にはとても重要。
これのおかげで、タイルをぽんぽん置いていくのが気持ちいい。

決して派手な演出をせず、ちょうどいい範囲にとどめているところは
やはりセンスを感じてしまいます。

それから、フィードバックとは少し違いますがBGMも綺麗で、とてもリラックスできます。

頭は使うのに無心でできる

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気づいたら山札がもうない

ゲーム性もきちんとあって、本当に何も考えずにタイルを置いていると
すぐに山札がなくなってしまいます。
そのため、クエストをしっかりとクリアしていく事がとても重要で
プレイ中は割と、ああしようこうしようと頭を巡らせている事が多いです。

なのですが、気がついたら山札の残りがあと少し...という状況になっていることが。
不思議なんですが、頭は使ってるのに無心でプレイしているんですね。

そして、こういう状態になるのがなんでか心地よいので、つい何度もプレイしてしまうのです。

気になった点

操作は慣れがいる

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これはコンソール版特有の問題かもしれませんが、慣れるまでは
ちょっと操作が難しい...というよりは思い通りにいかない事があります。

特に、マップの回転はカメラの中央が原点になっている挙動なので
マップの反対側にタイルを起きたい場合なんかは結構大変です。

中央からどんどん外側に広げていく、というゲームの性質上
マップが広がってくると頻繁にカメラを移動させることになるのも向かい風ですね。

ルールに分かりにくい部分がある

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クエストの数字は、タイル枚数ではない
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最初は意味不明だった「旗クエスト」

例えば、「家を10軒以上つなげる」というクエストでは
タイルの枚数ではなく、実際の家の軒数で判定しています。
1枚のタイルに書き込まれた家の軒数なんて毎回数えてるわけにもいかないので
結果的に、ぱっと見で分かりにくいという問題になってしまってますね。

家ならばまだしも、森となると数えるのは不可能なレベル。

ただ、きっちりと数を把握しておく必要はそんなにないよう設計されていると思うので
慣れてくれば別段気にならなくはなります。

こんな感じで、覚えるまで、慣れるまでよく分からない部分もいくつかあります。
慣れましょう!

まとめ

私は普段単純なパズルゲームはほとんどやらないのですが、このゲームはかなりお気に入りになりました。
日常を離れ、なんも考えずに何かしたいなという時に最適のタイトルだと思います。

さまざまな要素を削ぎ落とし(と私は勝手に思っている)、洗練された遊びと癒しを提供してくれる本作。
ゲームに疲れたときのゲームとしてお勧めですよ。

今回のポイント
  • 落ち着いてプレイできるパズルゲーム
  • いろいろな側面から癒しを与えてくれる
  • 操作やルールには多少の慣れがいる

Dorfromantik
タイトル Dorfromantik
メーカー Toukana
発売日 2022年9月29日
定価 ダウンロード版 / 1,690円